遺族年金にかかる「配偶者」には、事実婚関係(内縁関係)にある人も含むものとされています。

事実婚(内縁関係)とは

事実婚関係とは、いわゆる内縁関係にある状態です。
内縁関係にあるとは、婚姻の届出をしていないため法律上の夫婦ではありませんが、社会通念上、夫婦としての共同生活と認められる事実関係にあることをいいます。

年金制度では、事実婚関係(内縁関係)の場合についても遺族年金の支給対象配偶者として認めています。

この事実婚関係(内縁関係)として認められるためには、次の要件を備えることが必要です。

  • 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること。
  • 当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在すること。
引用:昭和55年5月16日庁保発第15号

 

* 内縁関係が、民法上違反となるような内縁関係(近親婚、直系姻族間の婚姻、養親子関係の婚姻など)については、認められません。

 

重婚的内縁関係

届出による婚姻関係があるにもかかわらず他者と内縁関係にある状態、いわゆる重婚的内縁関係にある場合は、届出による婚姻関係が基本的に優先します。

しかし、過去に遺族給付に関する裁判で「戸籍上届出のある妻が夫と事実上婚姻関係を解消することを合意したうえ、夫の死亡に至るまで長期間別居し夫から事実上離婚を前提とする養育料等の経済的給付を受け、婚姻関係が実態を失って形骸化しかつその状態が固定化し、一方、夫が他の女性と事実上の婚姻関係にあったなどの事情があるときは、妻は配偶者にあたらない。」として内縁関係にある妻を配偶者として事実婚を認めた判決もあります。